「新しい芸術」、アールヌーヴォー。
19世紀後半、ロンドン画壇の重鎮、ジェームズ・マクニール・ホイッスラーによるピーコックルームをはじめとした新しい芸術の波は、またたくまに欧州へと広がってゆきました。
大陸で大きく花開いたアールヌーヴォーは、やがてその源となった思想、アーツ&クラフツの発祥地である英国にも河の流れが遡るように波及。英国アールヌーヴォーの特徴は、大陸よりも抑制された装飾と、計算された構造物を思わせる均整のとれた姿にあります。
今回ご紹介するチェアが、まさにそのひとつ。
まろやかな艶を持つマホガニーで作られた端正なチェアは、その姿をより強調するように細かな線象嵌が背もたれや脚、そして足間の貫にまで回されており、構造的な美しさを際立たせています。背もたれの上部左右にはアールヌーヴォーらしい花の蕾のようなマーケットリーがポイントで配され、可憐な優雅さを添えています。座る人を迎え入れるようにゆったりと広がったアームは、端部の円形部分へと緩やかな曲線を描き、寛ぎを約束してくれるようです。
プレーンななかにも豊かな表情を感じさせるモール糸使いのファブリックは、ゴールドがかったイエローベージュ。明るく落ち着いた印象でお部屋の中にきれいに馴染むのではないでしょうか。
ダイニングチェアとしてはもちろん、プライベートチェアとしてもおすすめなひとしな。
こちらは同じデザインで一回り小さいチェアもございますので、サロンとして揃えてみるのもよろしいかもしれません。
英国アールヌーヴォーを体現する端正なチェアで優雅なひとときをお過ごしください。
■英国
■主素材:マホガニー
■推定製造年代:1900年代頃
■サイズ:幅56.5/奥行53/高さ95cm(座面までの高さ約44cm)肘掛けの高さ約67cm
■杢目の見え方等詳細がアップ写真と異なるチェアもございますことをご了承ください。
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましては
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