英国で1840年に世界初の切手、通称ブラックペニーが発売されて以来始まった切手の歴史。
世界各国で意匠を凝らした切手が作られてきましたが、英国はとりわけその種類が多いような気がします。そしてその切手を入れるための専用の箱=「Stamp Box/スタンプボックス」を見かけることが多いのも、英国アンティークの特徴の一つと言えるかもしれません。
今回ご紹介するのはそのスタンプボックスです。
出色は華やかな装飾。蓋には生命の壺を思わせる器に活けられた花々や、左右対称に広がるアカンサスリーフの渦巻文様が施され、全体を優美にまとめています。ベース部分にも同じモチーフが繰り返し使われており、四隅に張り出した脚が全体のポイントでありつつ、安定感も与える役割をもっております。
しっかりとした作りは高級感があり、ずっしりとした重さで安定感も抜群。蓋は少し傾いており、使う側からよりきれいに見えるようなフォルムです。開ければ小さな3つの小部屋に分かれており、納める切手のサイズにより仕分けることができるようになっています。手前部分の立ち上がりが斜面になっており、切手を取り出しやすく工夫されているのもスタンプボックスならではの特性と言えるでしょう。
参考までに英国の古い切手をいれてみました。写真のエリザベス女王の切手は1960年代のもので、外寸が約2×2.4cm。
日本の現行84円切手は外寸2.15c×2.55cmと少し大きめですので、このスタンプボックスでは真ん中および向かって左側の部分にいれることができます。
最近はなかなか「切手を貼って手紙をだす」ことが少なくなってきています。でもだからこそ、敢えてアナログな手作業をすることは、特別な価値をもって送る相手にもとどくのではないでしょうか。
デスクトップに切手を入れて置いてみる。もちろん、クリップなどを入れてデスクタイディとしてお使いいただくのも素敵です。
切手を生んだ国から来た、切手の為の格別美しいアンティークアイテムを是非どうぞ。
■英国
■主素材:真鍮
■推定製造年代:1900-1930年代頃
■サイズ(外寸):幅約14.5cm 奥行約9cm 高さ約4cm
■サイズ(内寸):左から幅約2.1cm 2.9cm 3.2cm 奥行共通約2.7cm
■重量:346g
■蓋は抑えておかないと閉まってきます。
■蓋には閉じておくためのパーツはございませんので、逆さにすれば蓋は開きます。
■こちらのお品物は古いお品物です。新品にはない小傷や汚れ、ゆがみや変色等がございます。