クラシカルな品格を漂わせる、アカンサスカーヴィング プランツスタンド。
アンティーク家具の中でプランツスタンドは非常に嗜好性の強い存在です。収納が出来る訳でもなく作業の助けになる訳でもない、あくまで演出の為の小家具は、必然的に贅沢な品物であるといえるでしょう。
今回ご紹介するのはマホガニー材を削り出し、凝った装飾を施したひとしな。
約130cmという高さは、グリーンを置いた時にちょうど大人の目線となる効果的な高さとなっています。ふっくらと肉厚な天板をもち、その下には彫刻されたアカンサスの葉が目を惹きます。支柱はリーデッドコラム(reeded column)で、上にあしらわれたアカンサスの葉は古代ギリシア・コリント様式を思わせる荘厳な雰囲気を持っています。コリント様式とはギリシア古典建築三様式の一つであり、アカンサスの葉を飾った柱頭が特徴。ローマ・ルネサンス以降の建築様式にも用いられてきた伝統ある様式で、建築はもちろん室内装飾や家具意匠においても多大な影響を残してきました。このプランツスタンドはそのコリント様式をイメージした新古典様式に影響を受けデザインされたものと思われます。
The origin of the Corinthian order, illustrated in Claude Perrault's translation of the ten books of Vitruvius, 1684
一方で足元はトリポッドのボール&クロウ。ニーには上部に使用されているアカンサスのモチーフが再現され、力強く珠を掴む爪先は植物の生命力と呼応するように克明に表現されています。
冬が長く寒冷な気候の英国において、生き生きとした植物を身近に飾り日々を共に暮らすことは、大層な贅沢であり心の癒しであったことは想像に難くありません。そんな大切な植物を飾るために、それ相応の舞台として生み出されたプランツスタンド。
RIVALS by TISSOT, JAMES JACQUES JOSEPH(1836-1902)
ヨーロッパの伝統美と古艶を持つマホガニーが生み出すステージに、生命力あふれる植物が彩りを添える時、この上なく豊かな空間が生み出されることでしょう。
■英国
■主素材:マホガニー
■推定製造年代:1900年
■サイズ:幅52/奥行48/高さ137.5cm(天板直径28cm)
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましては
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