端正なラインが洗練された空間を演出する、エドワーディアンインレイドセティ。
マホガニーの艶がはしる背には繊細な線象嵌が巡り、凛と麗しい佇まいをみせています。抜け感のある秀逸なデザインは現代のお部屋にもすっと入り込み、クラシカルな英国エドワーディアンの趣をすぐそばに感じさせてくれることでしょう。
セティ/setteeとは二〜三人ほどのが座ることのできる長椅子のこと。中世につくられていた背と肘掛のある長椅子セトル/settleから派生したとされ、17世紀後半から18世紀前半に普及しました。座面は布張りで、背もたれも布張り、またはインレイやカーヴィングが施された装飾性の高いもので、邸宅のドローイングルームやパーラーなど人目を引く場所に置かれていました。
艶やかなマホガニーの背もたれにはデザインの異なる二本のストリギング(線象嵌)が施されています。このようなカーヴした材に細い象嵌を施す技術は相当なもので、つくり手の技量とこだわりが感じられます。スプラットはアールヌーヴォーを感じさせる印象的なシルエット。こちらも線象嵌が施されており、特徴的な形をより引き立たせています。アーム正面のくるりとした象嵌が愛らしく、すっきりとしたスペードレッグが英国らしさを演出しています。
座面にはブーケのように束ねた花にリーフが舞い、ぱっと目を惹く華やかな色味が明るく空間を彩ります。
抜け感のある低めのセティは玄関ホールに置いても程良いサイズです。訪れるゲストに素晴らしい第一印象を与えてくれることでしょう。
ありそうでないデザインバランスをもつセティは、どの角度から見ても美しいフォルムを崩すことはありません。いつもの空間にクラシカルなエッセンスを添えてくれる、なんとも秀麗なひとしなです。
■英国
■主素材:マホガニー
■推定製造年代:1900年代
■サイズ:幅108/奥行54.5/高さ73cm(座面までの高さ約44.5cm)
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましては
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