長く続いたヴィクトリア朝が終わり、その後始まったエドワード朝。
華やかで豊かな装飾が好まれたヴィクトリアンの反動のように、エドワーディアンのデザインは比較的シンプルで、装飾はポイントをおさえて施されることが多く、職人の手技が贅沢に活かされた最後の時代といってもいいかもしれません。
今回はそんなエドワード朝を体現したような、端正なチェアのご紹介です。
まず、トップレイルは植物をモチーフにしたカーヴィング、そしてバックスプラット(背柱)は透かし彫りで、背もたれ部分はあくまでも軽やか。一方でスクエアな座面はゆったりと広めに作られています。そこには暗めのパープルとダークグレーが格調高い雰囲気をもつ、モール糸が織り込まれた唐草モチーフの輸入ジャガードを張り込みました。前足は挽物細工で、リズミカルな凹凸がふっくらとした座面をしっかりと支えます。
座り心地と言う機能面を満たしつつ、シンプルな構造と豊かな装飾性を併せ持つ、エドワーディアンならではの佳品。
ダイニングチェアとしてはもちろん、プライベートチェアとしてもおすすめなひとしなです。
■英国
■主素材:ウォールナット
■推定製造年代:1900-1910年代
■サイズ:幅47/奥行48/高さ90cm(座面までの高さ約48cm)
■杢目の見え方等がアップ写真と異なるチェアもございますことをご了承ください。
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましては
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