美しいバランスを誇るデュエットピアノスツールのご紹介です。
ピアノスツールとは文字通りピアノのための椅子のこと。ピアノ演奏用に一般的なサロンチェアが使われることも多くありましたが、18世紀には演奏家のために座面が上下する仕組みを持つ丸椅子が作られるようになります。また、それとは別に安定する4本の脚をもつ四角い椅子も人気で、そこに楽譜用の収納が作られるようになり、さらに二人でも座れるように長い椅子も作られるようになりました。それが、デュエットピアノスツールです。
今回ご紹介するのは、英国でヴィクトリア時代につくられたデュエットピアノスツール。
ヴィクトリアンの上流家庭では、ピアノはお客様をもてなす最適の道具であり、インテリアの要でもありました。そこに備えられるスツールも良いクオリティを求められるのは当然のことといえます。
Piano lesson by Jules Alexis Muenier 1911
今回のお品物をよく見ていきましょう。基本的な形は長方形ですが、しなやかな6本のカブリオレレッグが全体を支え、重量感を感じさせないデザインとなっています。材は艶めくマホガニー。そこにアカンサスリーフとスクロールの彫りがポイントで配され、幕板の緩やかなカーブはカブリオレレッグの曲線と呼応して軽やかなハーモニーを奏でています。座面下部は収納になっており、座面を持ち上げれば収納スペースが現れます。ステイ金物もついておりますので、開いたまま中の物を出し入れする事が可能です。
張り地は当店にてヨーロッパの先染めジャガードに張替えを行いました。イエローベースにオレンジブラウンの縞模様。そこに重なるように華やかなフラワーパターンが織り出されたジャガード織はインテリアを品良く華やかに演出します。
しっかりとした作りは窓際のウィンドウベンチとしても、玄関ホールのホールベンチとしてもおすすめ。ピアノ用としては楽譜入れにしたり、他にも周りの小物などを入れて便利にお使いいただけるのではないでしょうか。
英国ヴィクトリアンの、ハイクオリティなデュエットピアノスツール。そこに在るだけで、優美な旋律が聴こえてくるような英国アンティークの逸品です。
■英国
■主素材:マホガニー
■推定製造年代:1890年代
■サイズ:幅91.5cm/奥行38cm/高さ51.5cm
■座面を開いた時の最大高さ:80.5cm
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましては
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