ヴィクトリアン ダムウェイター/9133-066/幅32/奥行き25.5/高さ77cm

9133-066

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今回ご紹介するお品物は、とても珍しいフォルムのダムウェイター。


まずは「ダムウェイター/Dumb Waiter」のご説明をさせていただきます。「Dumb」というのは「しゃべれない、無口な」という意味。「Waiter」はそのまま「ウェイター、給仕人」。つまダムウェイターとは「しゃべらない(寡黙な)ウェイター」ということになります。

ダムウェイターと呼ばれるものは広範囲にわたり、現代ではレストラン等で食事等を運ぶ為の小型エレベーターのことをいいますが、アンティーク家具や雑貨においては、食卓まわりで役立つ家具や小物をダムウェイターと呼ぶことが多くあります。

家具でいえば二段や三段になった丸い棚、キャスターの付いたワゴン、バッフェともよばれるオープン棚など。そして、シルバーや真鍮で出来た蓋つきの小物入れで、ハンドルで持てるようになっており、食卓に置いて小さなごみなどをすぐに入れておけるような雑貨もダムウェイターと呼びます。



今回ご紹介するダムウェイターは、その蓋付き小物入れの大型版といえます。

使い方をご説明いたしましょう。上部にはマホガニーのつまみがついた、ダークな金属性のハンドルがついています。そのハンドルを下にぐっと押し込むと、ダムウエイターの蓋がぱかっと開く仕組みとなっております。おそらくは、部屋の隅に置いてあり、必要に応じてメイドなどがテーブルの傍まで持ち運び、蓋を開いて小さなごみなどを入れていたのではないでしょうか。蓋を開くのも、持ち運ぶのも、持ち手が高くまであるのでスマートに扱うことができます。


蓋を開けば、内部は深さ約4cmほどの真鍮トレイが嵌め込まれています。真鍮トレイは着脱可能で、外すとマホガニー材に「7 Julie 1887」の書き込みが現れます。この「Julie」とは古い英語で「July」のこと。つまり「1887年7月7日」の意味となります。

おそらくは、このダムウエイターを手に入れた日付。持ち主が記録用に書き込んだものと思われます。英国アンティークの家具や雑貨、そして本等をみていると、しばしばこのように日付が書き込まれているものを見ることがあります。手に入れた日付、誰から誰に譲った日付、等々。英国人らしい真面目さを感じます。


正直に申し上げて、今まで見たことが無いタイプの小家具であることは間違いありません。買い付けたのは英国北部の街の大きなアンティークセンターであり、セラーが「unusual」な「Dumb Waiter」と表現したことを記憶しております。ひょっとして、数寄者が考案した特注品なのかも知れません。


現代日本での使い勝手は難しいところではありますが、当時の風俗への探求心をそそられる一品であることは間違いないのではないでしょうか。



とても珍しく、そして興味深い英国アンティークの稀有な逸品を是非ご鑑賞ください。




■英国
■主素材:マホガニー材、真鍮、他
■推定製造年代:1880年代
■サイズ:幅32cm 奥行き25.5cm 高さ77cm
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましてはこちらをご一読ください。

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