ヴィクトリアン キッチンスツール /1178-109/幅32/奥行32/高さ51cm

1178-109

72,000円(税込79,200円)

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英国のカントリーファニチャーに非常に多く使われているのが、エルム(楡)とビーチ(ブナ)。


エルムは古くから生活用具を作るものとして重宝されてきました。堅く強く、水に強い性質を持つため、馬車の車輪や木桶などに多く利用されました。もちろん家具も作られましたが、主としては椅子。材の性質上細かな彫刻などの加工は難しいため、ウェインザーチェアやチャーチチェア、そしてスツールなどに利用されることが多かったようです。どっしりとした質感と豊かな杢目には温かみが感じられ、歳月を経て使い込むほどに味わいを増していく材は、何世代にもわたって愛されてきました。

またビーチ材(ブナ)もとても強い木で、家具に大変適している材です。北欧の家具などはビーチ材で作られているものが多くあります。もともとは白っぽい色で木目は素直なものが多く、場合に応じて色をつけて様々な表情を演出することができます。

英国のカントリーファニチャーには座面がエルム、足まわりがビーチ材をつかったものが多くあります。おそらく、エルムのもつ独特の杢目を愉しむために座面にはエルムを、強度があり曲げにも強いビーチ材を足回りに、と使い分けていたのではないでしょうか。



今回ご紹介するのは座面はエルム、脚部はビーチ材という、王道のスツール。製作年代は古く、ヴィクトリア時代と推測いたします。お屋敷のキッチン周りや子供用として、もしくは庶民の日常家具として便利に使われてきたと思われます。


From “Bleak House” by Charles Dickens; illustrations by F. Barnard. Published by Chapman and Hall, London, and printed by Virtue & Co, London c1870. From “Bleak House” by Charles Dickens; illustrations by F. Barnard. Published by Chapman and Hall, London, and printed by Virtue & Co, London c1870.



座面はやや凹みのある円盤状、足まわりにはきれいなターニングが施されています。座高が51cmで通常の椅子より高いのも、すぐに立ち座りができる実用に長けたフォルムであるといえるでしょう。

深くたゆたうように刻まれたエルムの杢目が美しい、英国アンティークの確かな佳品。100数十年前の日々の暮らしが伝わってくるような、アンティークスツールです。


■英国
■主素材:エルム、ビーチ
■推定製造年代:1890年代
■サイズ:幅32/奥行32/高さ51cm(座面直径約29-30cm)
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましてはこちらをご一読ください。