ヨーロッパにおいて18世紀頃から石膏や木の代替え品として使われだしたパピエマシェ/Papier-Mache。
紙を中心とした材でできており、技術の進歩につれて軽く強く加工も容易となり19世紀後半には様々なものが作られました。表面は黒地仕上げが一般的。これは製法上のあらを隠すためと、当時非常に効果で人気があった東洋の漆塗りを模したためと考えられます。黒ベースに金彩で柄を描いたり、鮮やかな花柄や風景画、人物画を描いたりと、様々なデザインバリエーションがみられます。小さな箱やトレイなどの雑貨をはじめ、こぶりのテーブルやチェアまで作られていました。
Papier mâché Chair c.1850 by Jennens and Bettridge Birminghum from V&A Collection
このレターラックもそのうちのひとつ。
パピエマシェらしく、黒ベースの塗りつぶしでできており、その上から可憐な花のペインティングが施されています。手前板と背面板は飾り紐で繋がっており、飾り紐は背面で結んでありますので、この部分を調整することで開く角度を変える事ができます。レターラックとしてはもちろん、ドライフラワーなどアレンジしても絵になります。
アンティーク市場において「パピエマシェ」は知っておくべき貴重なもののうちのひとつ。その存在は東洋への憧れや造形へのこだわりを感じさせ、背景を知るほどに興味深くなるのではないでしょうか。
お部屋の壁の演出にご使用いただければ、ヨーロッパの人々が愛した光景が広がることでしょう。
■英国
■主素材:パピエマシェ
■推定製造年代:1900-1930年代
■サイズ:幅22.5/奥行8/高さ34.5cm(折りたたみ式)
■こちらのお品物はアンティークです。新品にはない小傷や歪み等がございます。
*パピエマシェについてはスタッフブログにて詳細をご説明しております。
こちらからご覧ください
https://ameblo.jp/pancada/entry-12726311153.html