絵画のような象嵌と上品な紫が麗しい、ヴィクトリアンインレイドアームチェア。
古のグリーンマンを背に掲げたチェアは気品溢れる紫の座を広げ、悠々と佇みます。優雅に包まれる贅沢なひとときを与える逸品をお届けいたします。
まず目を惹かれるのは背板に施された精緻な象嵌細工でしょう。細く滑らかな曲線で切り出されたいつくものパーツが描く象嵌は、手作業の極みとも言える最高難度の完成度を誇ります。中心にはグリーンマンの意匠が施され、匠なエングレイヴィングにより豊かな表情をみせています。木だけでなくホーンと思われる素材を用いて色どりを変化させ、リーフの生き生きとした活力を繊細かつ優美に表現しています。トップレイルに施されたシェルと花のレリーフや、インレイをオーバルのなかにおさめたことで、古典的な格式を感じさせる仕上がりとなっています。
このチェアは装飾だけでなくフォルムもまた実に見事です。それを際立たせているのが全体に巡らされた線象嵌で、フォルムの美しさをより明確にしています。特にアームのカーヴとひねりは秀逸で、手に馴染む絶妙な曲線にクオリティが現れています。座のフロントのウェーブが脚へのあたりを柔らかくし、心地よく座っていられるように工夫されたこだわりのデザインです。
張地は繻子目のダマスク模様。緯糸で柄が織り出されたジャガード生地にヨーロッパ伝統のダマスク柄が沈む上質な生地は、滑るような肌触りが心地良く、贅沢な光沢がヴィクトリアンらしい優雅な雰囲気を醸しています。紫は見る角度によってその色味を微妙に変化させ、高貴のなかに艶やかな魅力を感じさせます。
Interior Liselund Castle By Georg Achen(1860-1912)
1脚であればデスクチェアや寛ぎのひと時に、2脚ならばゲストやパートナーと優雅にお茶を愉しむチェアとして、様々なシーンに合わせて自由にお使いいただけます。
そこに在るだけで絵になるチェアは、日々の生活を豊かに潤してくれることでしょう。
装飾美の息吹を背に、追憶のひと時をお過ごしください。
■英国
■主素材:マホガニー
■推定製造年代:1890年代
■サイズ:幅58.5/奥行57.5/高さ91.5cm(座面までの高さ約43cm)
■複数脚在庫がある場合、杢目の見え方が写真と異なるチェアもございますことをご了承ください。
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましては
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