チッペンデールスタイル シュバルミラー /1178-060/幅78/奥行66/高さ190cm

1178-060

800,000円(税込880,000円)

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優雅で華麗な意匠が特別な存在感を生み出す、チッペンデールスタイル シュバルミラー。

シュバルミラーとは全身を映すスタンド式のミラーで18世紀頃からフランスで使用され始めたといわれます。シュバル(cheval)はフランス語で馬を意味し、土台が馬の脚に似ていることからその名がついたとされています。その構造は2本の支柱の間にスイベルスクリュー(swivel screw)という回転ネジでミラーを固定し、傾けて使うことができるものでした。もともとは寝室、もしくはドレッシングルームでドレッシングミラーとして使われ始めました。18世紀の終わりごろにはシュバルミラーは大変人気となり、家具デザイナー達は意匠を凝らして様々なシュバルミラーを生み出しました。

 Before The Mirror 1873 by Pierre Glaize Before The Mirror 1873 by Pierre Glaize



今回ご紹介するシュバルミラーは、英国史に残る家具デザイナー、トーマス・チッペンデールの意匠の流れを汲むお品物。材はマホガニーで、全体においてチッペンデールスタイルの緻密で流麗な彫刻が施されています。ミラーフレームのトップ、小さな屋根のようなペディメントの下には可憐なフラワーモチーフが浮き彫りされており、左右にはロココ風のCスクロールが伸びやかに連なります。脚元は緻密に作られたライオンパウフィートで、レッグのニーにはアカンサスとホタテ貝のカーヴィング。更にストレッチャー(貫)部分、そしてその上部のミラーフレームボトム部分のセンターにもそれぞれホタテ貝がカーヴィングされており、ホタテ貝を意識して意匠に取り入れているのがわかります。

ホタテ貝はヨーロッパにおいては信仰や豊穣の象徴である縁起の良いモチーフとされており、チッペンデールが好んだモチーフのひとつでもあります。また一方で、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生(1486)」で象徴されるように、ギリシャ神話の女神ヴィーナス(アフロディテ)のアトリビュート(持ち物)でもあります。ひょっとしてオーダー主は、ヴィーナスのような姿をミラーに映し出してほしい、と願いを込めて作り上げたのかもしれません。

La nascita di Venere /Sandro Botticelli/1485La nascita di Venere /Sandro Botticelli/1485



格別な彫刻を纏ったマホガニーのシュバルミラーは、その存在自体が美の化身であり、それが映し出す世界もまた、美の芳香を纏うようです。

19世紀ヴィクトリアンの傑作ミラーで、貴方の日々を映し出してみてはいかがでしょうか。




■英国
■主素材:マホガニー、鏡
■推定製造年代:1890年代
■サイズ:幅78/奥行66/高さ190cm
■ミラーには経年による錆やくもりが若干ございます。
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み、欠け等がございます。アンティークの特性につきましてはこちらをご一読ください。