ヴィクトリアン カブリオレレッグ ディスプレイキャビネット /9165-029/幅108/奥行45.5/高さ201.5cm

9165-029

768,000円(税込844,800円)

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マホガニーの重厚感が格調高く上質な空間をつくり出す、ヴィクトリアン カブリオレレッグ ディスプレイキャビネット。

このキャビネットが製作されたヴィクトリアン後期の英国では、それまでに流行した各時代の様式を見直す復古主義の傾向にありました。ネオバロック、ネオロココと言ったスタイルが流行する一方でアーツ&クラフツ運動が起こるなど美術・工芸の世界はそれぞれに進化を遂げていました。このキャビネットはマホガニーを贅沢に使ってロココのエッセンスを体現した、最高級のひと品です。


ロココ様式は18世紀のフランスで流行し、その語源は岩を意味する「ロカイユ」に由来します。ヴェルサイユ宮殿の庭園に貝殻や岩で人工の洞窟などを造り、それらはロカイユと呼びました。そこから貝殻や植物などを複雑な曲線で表現した装飾をロカイユ装飾と呼ぶようになり、ポンパドゥール夫人をはじめ、宮廷や貴族たちの間で流行しました。その装飾は優雅で華麗、女性的な快活さで感情豊かに表現されました。その後、英国に渡ったロココ様式は、クイーン・アン様式やチッペンデール様式の基となり、この二つの様式は英国ロココとして英国家具史の黄金期を築きました。

Rocaille (Rock Garden) by Claude Augustin Duflos le Jeune (French, Paris 1700-1786 Paris)Rocaille (Rock Garden) by Claude Augustin Duflos le Jeune (French, Paris 1700-1786 Paris)



このキャビネットはそんなロココの要素を取り入れたと思われる逸品。当時のロココ様式のように盛り込んだ装飾とは異なり、控え目ながら堂々とした佇まいでその風格溢れる存在感を示しています。

大きな曲線を優雅に描くカブリオーレ・レッグにはアカンサスのカーヴィングがいっぱいに広がります。木とは思えぬ生命力に満ちた姿はいつの時でも人々の心を強く惹き付けます。

抽斗やフロント部分には貝と葉を融合させたようなオーナメントが丁寧に彫り込まれ、優美でありながら力強い印象も与える不思議な魅力を湛えています。
そして、扉にはひときわ目を惹く波のような装飾が施され、揺らめくアンティークガラスと合わせることで海のような印象を与えています。ロココでは貝殻の他にサンゴや波、タツノオトシゴに似た装飾が施されることもあり、この扉の装飾はそんなロココの意匠を取り入れたのではないでしょうか。そこからギリシャ建築の支柱のように真っすぐ伸びたラインの根元には、手に取れそうなほど立体感のあるリーフのカーヴィングが据えられ、独特の印象を残します。

さらに、このキャビネットの大きな魅力のひとつ、古艶を纏った銘木マホガニー。木の女王、森の宝石と異名をとるマホガニーは黄金色を意味し、世界三大銘木に数えられます。その美しさゆえに大量伐採され、今では入手困難となった貴重な材。長い年月のなかで重ねてきた古艶の輝きは、何ものにも代えがたい魅力に溢れています。



大きなキャビネットは収納力があり、お気に入りのコレクションをゆったり飾ることができます。脚元のストレッチャープラットフォームは広く、高さもあるので実用的な家具としてお使いいただけます。

材質本来のクオリティと繊細な技術が溶け込んだヴィクトリアン カブリオレレッグ ディスプレイキャビネット。そこから流れる、荘厳ながら優雅さを帯びた空気が特別なお部屋を演出します。



■英国
■主素材:マホガニー
■推定製造年代:1890年代
■サイズ:幅108/奥行45.5/高さ201.5cm(天板までの高さ91cm)
■内部ガラス棚板は取り外しが可能です。位置の変更も可能ですが別途費用がかかります。詳細はお問い合わせください。
■扉用の施錠できる鍵が1本付属しますが、古い鍵箱のため頻繁な施錠はおすすめできません。通常は鍵穴に引掛けて取手代わりにご使用いただくことをおすすめいたします。
■施錠しなくても扉を安定して閉めておくためのキャッチ金具を、ご希望によりサービスでお付けいたします。ご注文時にご指定下さい。
■引き出しの鍵は付属しません。
■こちらのお品物はアンティークです。新品家具にはない小傷や歪み等がございます。アンティーク家具の特性につきましてはこちらをご一読ください。