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ナポレオンⅢ様式 エボナイズド ピアキャビネット

売約済

品名 ナポレオンⅢ様式 エボナイズド ピアキャビネット
品番 9151-018
材質 その他
Age 1870年代
Country フランス
119cm
奥行き 36cm
高さ 113cm
在庫数 1
備考 表面:エボナイズド仕上げ
扉内側:ローズウッド

商品説明

 

漆黒の地に、金のオルモルと色鮮やかな陶板が施された、壮麗なピアキャビネット。
漆黒の仕上げはエボナイズドとよばれる黒檀(ebony)調の仕上げ。
日本が世界に誇る漆塗りの工芸美術を模したともいわれるエボナイズドは、しっとりとした質感を湛え、古艶も何ともいえない深い味わいがあります。
金色の飾りはオルモル/ormoluとよばれ、真鍮をベースとした合金。
ブロンズ仕上げともよばれ、壮麗で豪華な家具の装飾には欠かせないものです。
このキャビネットにもそのオルモルがふんだんにあしらわれており、
その細工の細かさ、美しさは群を抜いています。
3枚ある磁器のプレートは、セーブルと思われます。
天板下に取り付けられた小さめの陶板には、薔薇、マーガレット、フーシャなど色鮮やかな花々のブーケが描かれ、
かぐわしい芳香が漂ってきそう。
扉の陶板には、柔らかな色合いで描かれた二組のカップルがみられます。
一枚には、柔らかな草地に寛ぐふたりが描かれています。
男性が抱えた籠に入っているのは木の実でしょうか。一粒をつまんで、そっと女性に差し出しています。
もう一枚は、お屋敷を背景に、音楽と読書をたのしむ年若いふたりの姿。
どれもがセーブルの特徴である鮮やかなブルーで縁取られ、そのまた周囲をオルモルがまるでアートフレームのように縁取っています。
顔の輪郭などは限界とも思えるほど細く描かれ、ちいさなちいさな瞳は青く輝き、
巧みな筆致は、見るほどにその細かさと美しさに魅せられます。
美しくまとめられた絵は、美しい男女が田園で優雅に寛ぐさまを描いたものですが、隠されたテーマは恐らく「五感の悦び」。
さりげなく、視覚(読書)、聴覚(楽器)、嗅覚(ブーケ)など五感を暗示するものが散りばめられ、テーマとなっている様子は15世紀フランドルの
タペストリー、「貴婦人と一角獣」を思わせます。
このキャビネットが制作された1870年まで、フランスはナポレオン・ボナパルトの甥、ナポレオン三世の時代でした。
激動の時代をくぐり抜け、1852年に皇帝に即位して「ナポレオン3世」となり、第二帝政を開始。
彼の皇后のウジェニーは貴族的趣味を愛し、悲劇の王妃マリー・アントワネットに傾倒していました。
そのため、ルイ16世の頃に人気があった新古典様式の家具とインテリアデザインが宮廷の装飾に多用されたといいます。
ナポレオン三世の時代とその様式は、フランス最後の君主を表すかのように煌びやかで華やか、そして壮麗なものであるといえます。
そんな時代背景に生まれたピアキャビネット。
フランスの美意識と技の粋をあつめたその姿は、フランス貴族の優雅さの結晶のよう。
誰もがその姿に心奪われる、まさに美術館クラスの特別な逸品です。

漆黒の地に、金のオルモルと色鮮やかな陶板が施された、壮麗なピアキャビネット。

 

漆黒の仕上げはエボナイズドとよばれる黒檀(ebony)調の仕上げ。日本が世界に誇る漆塗りの工芸美術を模したともいわれるエボナイズドは、しっとりとした質感を湛え、古艶も何ともいえない深い味わいがあります。金色の飾りはオルモル/ormoluとよばれ、真鍮をベースとした合金。ブロンズ仕上げともよばれ、壮麗で豪華な家具の装飾には欠かせないものです。このキャビネットにもそのオルモルがふんだんにあしらわれており、その細工の細かさ、美しさは群を抜いています。

 

3枚ある磁器のプレートは、セーブルと思われます。天板下に取り付けられた小さめの陶板には、薔薇、マーガレット、フーシャなど色鮮やかな花々のブーケが描かれ、かぐわしい芳香が漂ってきそう。扉の陶板には、美しい色合いで描かれた二組のカップルがみられます。一枚には、柔らかな草地に寛ぐふたりが描かれています。男性が抱えた籠に入っているのは木の実でしょうか。一粒をつまんで、そっと女性に差し出しています。もう一枚は、お屋敷を背景に、音楽と読書をたのしむ年若いふたりの姿。どれもがセーブルの特徴である鮮やかなブルーで縁取られ、そのまた周囲をオルモルがまるでアートフレームのように縁取っています。顔の輪郭などは限界とも思えるほど細く描かれ、ちいさなちいさな瞳は青く輝き、巧みな筆致は、見るほどにその細かさと美しさに魅せられます。エレガントにまとめられた絵は、美しい男女が田園で優雅に寛ぐさまを描いたものですが、隠されたテーマは恐らく「五感の悦び」。さりげなく、視覚(読書)、聴覚(楽器)、嗅覚(ブーケ)など五感を暗示するものが散りばめられ、テーマとなっている様子は15世紀フランドルのタペストリー、「貴婦人と一角獣」を思わせます。

 

このキャビネットが制作された1870年まで、フランスはナポレオン・ボナパルトの甥、ナポレオン三世の時代でした。激動の時代をくぐり抜け、1852年に皇帝に即位して「ナポレオン3世」となり、第二帝政を開始。彼の皇后のウジェニーは貴族的趣味を愛し、悲劇の王妃マリー・アントワネットに傾倒していました。そのため、ルイ16世の頃に人気があった新古典様式の家具とインテリアデザインが宮廷の装飾に多用されたといいます。ナポレオン三世の時代とその様式は、フランス最後の君主を表すかのように煌びやかで華やか、そして壮麗なものであるといえます。

 

そんな時代背景に生まれたピアキャビネット。フランスの美意識と技の粋をあつめたその姿は、フランス貴族の優雅さの結晶のよう。誰もがその姿に心奪われる、まさに美術館クラスの特別な逸品です。

 

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