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ルイ16世様式 マーケットリーフラップトップテーブル

売約済

品名 ルイ16世様式 マーケットリーフラップトップテーブル
品番 9165-030
材質 ウォールナット材
Age 1870年代
Country 英国
54.5cm
奥行き 54.5cm
高さ 73cm
備考 フラップの奥行き:20.7cm

商品説明

漆黒のエボナイズドにマーケットリーの華が舞う、ルイ16世様式マーケットリーフラップトップテーブル。

 

ルイ16世様式とは18世紀中頃にローマから始まった芸術運動「新古典主義」(ネオクラシズム)に基づいて生まれた新しいスタイルです。ポンペイの発掘などにより古代美術が見直されるようになると、それまで曲線を多用した装飾的で豪華絢爛なバロックやロココの反動から直線的で厳正な古典様式を踏襲したスタイルへと変化しました。

 

フランス王妃マリー・アントワネットは装飾過多な貴族趣味を好まなかったと言われています。美術への関心が強く感性も優れていたアントワネットの影響もあり、ルイ16世様式は簡素でありながら優美で繊細、極めて女性的な装飾様式となりました。曲線を活かしたカブリオレ・レッグはフルーティング(溝彫り)が施された直線のターンドレッグに変わり、豪勢なカーヴィングよりも花篭や楽器や植物など身近な自然をモチーフとしたマーケットリー装飾が多く見られるようになりました。

英国の家具デザイナー、アダム兄弟やヘップルホワイトらに代表されるネオクラシカル様式は英国のルイ16世様式と呼ばれ、スウェーデン国王グフタス3世により作りあげられたグスタヴィアンスタイルは、ネオクラシズムから強い影響を受けてつくられたと言われています。それほどまでに当時のヨーロッパにおいてネオクラシズムとは大きなムーヴメントであり、広く浸透していきました。

 

Marie antoinette’s private chambers, the gilded room in Chateau de Versailles

 

このテーブルはエボナイズドという黒檀仕上げにより漆黒の艶が表現されています。Ebonyエボニー(黒檀)は黒いほど貴重とされ、フレンチキャビネットメイキングでは最も重要な木材のうちのひとつでした。エボナイズドとは、輸入材で希少性の高かったエボニーの代用材をつくるため樹皮やタンニンで木材を染色することを言い、漆に似せるための塗装法ジャパニングとともに多用された重要な技法です。そんな気品漂う純黒の艶はオルモルの眩い輝きを従え、王の威厳と風格を漂わせています。

 

そして天板一面には様々な種類の木を使って描かれたマーケットリーが華やかに広がり、名画のような美しさで見る者を愉しませます。アンボイナと思われる無数の節を持つ独特な杢目のバックグラウンドや精巧に切り出された植物、立体的に交錯させた緻密なデザインからは希少性と技術の高さが伺えます。中央にはまるで手で描いたような愛らしい楽器が象嵌されています。楽器は五感の歓びを意味すると言われ、特にダブルリードの木管楽器アウロスは神話にも登場する古楽器で情熱の象徴とされています。

 

脚先はルイ16世様式の特徴であるテーバードのターンドレッグ。フルーティング(縦溝)はギルディングやオルモルで装飾されることが多く、この脚にも繊細なリーフのオルモルで飾られ、典雅かつ上品に仕上げられています。このような高貴で華々しい家具はお茶やゲームで客人をもてなす時も室内装飾としても主役を果たしていたことでしょう。

 

"The Tea Party" by Vittorio Reggianini (Italian, 1858-1938)

 

故きを温ねて新しきを知る。

読書やティータイムを愉しみながら、時にオクラシズムの真意を読み解くのも興味深い時間となりそうです。

 

アウロスについて、スタッフブログにて詳細をご説明しております。こちらからご覧ください。

 

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