伝統的な英国スタイルの中に斬新な美意識と優美な気品が煌めく壮麗なミラーバックサイドボード。

ウォールナット材は経年による古艶に彩られ、木材とは思えぬ木質感。
森の至宝といわれるウォールナット、きめ細かく滑らかな木肌、ほんのりと紫がかった独特の色味、手になじむ円熟したあたたかさは、自然の創り上げた芸術作品です。
その最高級の材を贅沢に使用したサイドボードは迫力ある存在感を放ちつつ、ほんものの木材にしか出せない優しい風合いにより、どこか安らげる落ち着きを感じさせます。
さらに、ドロワー（引出し）前面には、バーウォールナットが張り込まれた豪華な仕上げ。

張り出したトップレイル（天板）、フルーティング（溝彫り）されたピラー（飾柱）、面取りされた盾形ミラー、随所に施されたアカンサスカーヴィングなどは伝統に磨き上げられた英国スタイル。
英国王侯貴族を陶酔させたそれらのデザインがサイドボードに気品と格を添えています。

透かし彫りのエプロンなどの木部の流麗な曲線には艶やかさを感じます。
フランスアールヌーヴォーの影響を受けたブロンズ製ハンドルも有機的な曲線美を描き、洗練された印象に。
球面ガラスは現在の技術でも製作は難しいといわれていますが、この薄さを手作りしているので、このガラスだけでもかなり稀少価値が高いでしょう。

ドロワー最下部をドーム状にしているなど、伝統的なデザインも残しつつ、新しいデザインを生み出そうとする革新的な試みを感じるキャビネット。
個性的で野心的なデザイナーの美意識と丁寧に施された装飾からわかる熟練した匠の技が見事に昇華し、優美この上ない傑作となっています。
ノーブルな風格と揺るぎない存在感は、永遠のプレステージを約束してくれることでしょう。