
Druce社 ミッドヴィクトリアン カンタベリーワットノット
売約済
品名 | Druce社 ミッドヴィクトリアン カンタベリーワットノット |
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品番 | 1196-034 |
材質 | ウォールナット材 |
Age | 1870年代 |
Country | 英国 |
幅 | 84cm |
奥行き | 48cm |
高さ | 96cm |
備考 | 天板までの高さ:92㎝ |
商品説明
優雅な装飾とウォールナットの古艶に癒される、Druce社ミッドヴィクトリアンカンタベリーワットノット。
見事なターニングの支柱と芸術的なフレットワーク、そしてまろやかなウォールナットの艶。遥かヴィクトリアンの頃より流れる優美な旋律を体現したかのような逸品を、どうぞご覧ください。
カンタベリーとはカンタベリー大聖堂の司教が注文したことからその名が付いたとされる楽譜入れのこと。また、ワットノットとは18世紀のフランスでつくられていたエタジェルが基といわれる飾り棚であり、この二つを合わせたものがカンタベリーワットノットと呼ばれます。
ヴィクトリア時代、家格のある家庭では音楽は教養として身につけており、サロンを開いて演奏を披露することもありました。その時に傍に置くカンタベリーワットノットがサロンの調度品として相応の装飾性を要求されたことは言うまでもありません。着飾った紳士淑女や高価な楽器、それらに勝るとも劣らない美しい家具は華やかなサロンに欠かせないものでした。
天板はウォールナットの深遠な杢目が広がります。リーフのインレイが優美さを添え、縁に回された真鍮のギャラリーは格調高く、なめらかなオーバルの美しさを引き立てています。演奏の合間には飲み物をサーヴするサイドテーブルとしても活躍していたのではないでしょうか。ヴィクトリアンらしい壮麗な支柱はターニングとカーヴィングの技術が素晴らしく、仕切りを支える支柱も秀逸な挽き物細工が並ぶこだわりの仕上がりです。芸術的な透かし彫りが抜け感をつくり、凝った装飾ながら繊細で軽やかな印象にまとめています。
抽斗にはラベルが残されており、読み取れる所在地名から「Druce & Co. Ltd,」のものと判断できます。Druce社は1830年代にもともと馬具店だったベイカーストリートの店舗でトーマス・チャールズ・ドルースが創設した家具店です。1850年頃に始まり、1864年には息子バーバードが店を引き継ぐと1913年まで経営は続きました。
このカンタベリーワットノットを見ても、ヴィクトリアンという時代を知り尽くしたDruce社の家具は美術的価値をもつ稀少な品々であったと言えるでしょう。それは楽譜置きとして、マガシンラックや書御台として、現代でも変わることのない上質な空間を演出してくれます。
すべてを満たす美しき佳作。
耳を澄ませば、華麗なヴィクトリアンサロンの響きが聞こえてくるようです。