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ヴィクトリアンロココスタイルショーケース
売約済
品名 | ヴィクトリアンロココスタイルショーケース |
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品番 | 9151-061 |
材質 | マホガニー材 |
Age | 1895年頃 |
Country | 英国 |
幅 | 91.5cm |
奥行き | 39cm |
高さ | 160cm |
商品説明
英国ロココリバイバルを端正に現した、類まれなショーケース。
このショーケースが製作された19世紀の終わり頃、ヨーロッパでは近代化に反するように、植物の曲線を活かしたアールヌーヴォーのデザインが全盛を迎えていました。それに呼応するかのように、18世紀初頭に流行した曲線を多用するロココスタイルも、バイエルンでルードヴィヒ二世がロココを盛り込んだリンダーホフ城を完成させるなどリバイバルとして見直された時代でもありました。
そんな時代につくられたこのショーケースは、ロココのエッセンスを上手く取り入れ、端正に昇華した逸品です。ペディメント中央にはロココの象徴、ロカイユがカーヴィングされ、その下のミラーは複雑な形状ながらもきれいに面取りがされ、きらめく映り込みでより奥行を感じさせます。ショーケースのグレイズドドアはやわらかな植物の曲線で支えられ、足元はロココ様式を反映させた、強めのスクロールとニーのカーヴィングがみられます。ロココ様式をなぞりながらも、全体にすっきりとまとめている様子が、英国ならではの美意識を感じさせます。高さが160cmと人の身長位ですが、薄い形状とミラーの効果で驚くほど圧迫感なく、それでいて素晴らしい存在感をもつ、優美なショーケース。
出色はコンベックスグラス(凸面ガラス)が嵌め込まれたディスプレイスペース。時間も手間もかかる高価な円筒形ガラスの向こうは、赤いベルベットが貼りこまれ、コレクションの為の唯一無二のステージとなっています。
このようなショーケースは、お屋敷のなかのドローイングルームのようにゲストをもてなすお部屋にあることが多かったようです。ヴィクトリア時代、大英帝国の力によって世界の果てから蒐集された美術品を愛でるために、こだわりの英国風ロココ様式でこのショーケースはオーダーされたのでしょう。
例えば館の主人はご自慢のチャイナ(陶器)コレクションを飾り、目の肥えたゲストを愉しませていたのではないでしょうか。
これからは、貴方のコレクションのために。
美と力を持つもののために造られた類まれな家具を、ぜひご堪能ください。