ゆったりとした横長なフォルムと、マホガニーの杢目が見事なディスプレイキャビネット。

このキャビネットの一番の見所は、素晴らしい木目の中央パネルと、左右のガラス扉の美しいバランス。木のパネルにはさりげなくモールディングが廻され、ガラス扉の木枠は凝った曲線を描いています。意匠と手間を掛けたフロントデザインは、一部を隠すことで、中に置かれたものにより視線が集まる効果が期待できそう。

足元は4本ともにボウル＆クロウ。凝ったアカンサスのカーヴィングが施されたニー（膝のように膨らんだ部分）とともに写実的な足元は、18世紀の家具デザイナー・トーマスチッペンデールが好んだモチーフです。

背面と棚板に貼られたファブリックはジャガード織のダマスク模様。ヨーロッパ伝統の柄は、光沢のある経糸とふっくらとした緯糸との光沢差で表現され、優しいクリーム色が明るく、上質な印象を醸し出しています。側面もガラスなので、外からの光が回り込み、中に入れたものが良く映える効果も期待できます。

キャビネットひとつ置くだけで、ノーブルな空間を作り出してくれる。

英国家具史の巨匠・チッペンデールの思いを、緑の黄金であるマホガニーで体現した英国正統派アンティークの逸品です。